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2012年元旦

2012年自作デザインルパン年

遅いご挨拶ですが、新年おめでとうございます。
昨年は日本中がひっくりかえるような年で、間違いなくあとで振り返ったときに、
日本という国のターニングポイントとなるであろう、そんな年でした。

正直アニメどころじゃないだろうというくらいの状況なわけですが、
一方で、昨年はアニメオタクならば観ておかねばならないだろうという重要な作品もいくつかありました。
といいつつ、それらもまだ未見なのです。
私のような後ろ向きな嗜好のオタクには、過去作をうろつくだけで精一杯で新作についていくのが大変。

このような有様の中、気づけばブログも絶賛放置中でした。
そんなうらぶれた夢の跡といった風情のブログですが、ひとまずは年賀イラストでも置いてお茶を濁そうと思います。

これは私のデザインしたルパン三世です。少し悪めな感じにしました。
笑うともっと悪い感じなのですが、年賀イラストなので自粛しました。

今年が皆様にとって幸多い年でありますように。
そしてアニメーション産業にとっても良い年になりますように。


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2011年元旦

謹賀新年

2011年賀イラスト「ルパン三世」

今年はルパン三世のイラストを描きました。 ルパン三世のTVシリーズは三作つくられていて、顔もそれぞれ違うんですが、これは二作目(『新ルパン三世』)のうちの初期の放送にだけ使われていたキャラデザインです。
昔はあまり好きなデザインではなかったんですが、今見ると原作の雰囲気を上手く反映させたアレンジが秀逸だと思います。 赤ジャケットは個人的に好きでないので脱がせてみました。

PS:ルパン三世に関しては、イラスト投稿サイトpixivに漫画を投稿したりしています。
ここは会員登録していないと見れないんですが、ルパンを好きな方にはぜひ読んで欲しい作品を描いてますので、よかったら見てみてください。 去年はお正月用の作品も描いたりしてます。
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=8023550



さて、去年の一月から丸一年ほぼ更新してないので、いよいよこのブログもおしまいかという様相になってきた気がします。
自分としては、趣味としてなかなか得がたい場所だなとも思っていて、愛着も少なからずあります。
あまり胸を張って言える状況でもありませんが、今年も『あにめごはん』をよろしくお願いします。



「ひとりだけの部屋」

010900
短編アニメ 『ひとりだけの部屋』
作者:野山映
ホームページ:花蟲 - Hanamushi - (http://hanamushi.jp/


今回はFLASHを使った短編アニメーションを紹介したいと思います。
といっても、作者は私の個人的な知り合いなものですから、これまで扱ってきたTVや劇場向けの商業作品とは趣向が違っていて恐縮なのですが。
この作品は昨年度の文化庁メディア芸術祭にて、短編アニメーションの部門で審査委員会推薦作品のひとつに選ばれたので、個人制作のアニメーションではあっても、どなたが見ても納得のいく質をもった作品であるという自信を持って紹介したいと思います。

 【あらすじ】

映像主体の10分程度の作品ですが、きちんとストーリーがあり、見ているうちに映像とともに物語の世界に引き込まれることだと思います。
物語は鳥の頭をもつ少年が、部屋の中から脱出しようとするところから始まります。

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脱出を試みようとするが、部屋からは出られない

少年はいつしか脱出を諦めて、この閉鎖された部屋の中での暮らしに順応していくことになります。

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だんだん成長していく少年

幸い、部屋の中には、住人が退屈せずにすむように用意された書物やTVがあり、少年はひとり本を眺め、チャンネルをひねってTV番組を見たりしては果てのないようにも思える時間を過ごすのですが、どうにも寂しさだけは堪えることが出来ません。

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怪奇な映像ばかりが写るTV番組

やがて、本の中からヒントを得た少年は、あるアイデアを実行することになります。

010911 
人形のピノキオが人間になる物語を読んだ鳥少年は・・・



ここから先は若干ネタばらしになるので、未見の方は先に見てしまうのも良いかと思います。
YouTubeで動画を見れるようになっています。

    YouTube -短編アニメ「ひとりだけの部屋」


─ FLASHの特性とFLASHアニメ事情 ─

FLASHアニメは、従来の手書きの2Dアニメと違い、登場人物の体の分割されたパーツをそれぞれ別に描き、それらのパーツをつなぎ合わせて、各パーツをモーショントゥイーンという機能でそれぞれ動かすことで体全体に動きをつけていくのが基本的な使い方です。
デジタルの紙人形劇、あるいは紙人形を使ったパペットアニメーションのようなものだと思えば良いでしょう。
(※タイムライン上に違う絵を配置してパラパラ漫画(フレームアニメーション)のような連続描画もできますが、フレームアニメーションのみの描写はFLASHの得意技ではありません)

※ 下の画像は、同じ作者のFLASH作品のswfファイルから
 実際に画像を抜きだしてバラバラにしたパーツ

flash parts 紙人形形式のアニメを作ろうとしたとき、FLASHでは同時に動かせる関節の数に制限もなく、1コマごとに撮影をする手間も要らないので、パーツごとに細かい演出の指定をできるFLASHでは、格段に表現できる幅が広くなります。
同様の表現をするには、もっとも向いているツールだといえると思います。
そのため、一時期はWEB上で作品を公開することを前提とした個人制作のアニメーション媒体としてFLASHは流行しました。
中には『秘密結社鷹の爪』など、WEBを飛び出してTVアニメや劇場映画になってしまったものまであります。

ですが、もともとFLASHはWEB上で動作する軽さが最大の特徴なので、本来は軽いベクター描画の(データ量が少ない)あっさりした画風のアニメーション作りにもっとも適しています。

この「ひとりだけの部屋」のような重厚な表現は、ラスター描画(ドットの集まりで描かれるためデータ量が多い)でしか不可能なので、閲覧側のマシンスペックに依存するWEBアニメーションとしては不向きになってしまいます。


近年では動画投稿サイトが普及したこともあり、インタラクティブ要素を備えた作品以外ではFLASHでWEBアニメを作ることの優位性はなくなってきているのが現状です。
今後はこの作品のような重厚な表現を狙った作品作りの場はAfterEffectsなどのツールに統合され、FLASHアニメは廃れていく方向にあるようです。

それでは、このようなFLASHアニメの基本を確認したうえで、実際の作品内の食事シーンを見ていきます。



■ FLASHアニメの食事シーン

この作品のタイトルは『ひとりだけの部屋』ですが、作中には少年のほかにもう一人の人物が登場します。
それは少年と同年代と思われる少女です。
少女は少年と同じように、部屋の脱出を試み、やがて諦め永遠とも思える無為な時間を過ごします。

ふたりは生きている人間ですから、「生活」をすることになるわけですが、その生活に必要最低限の設備の描写は背景画の中に提示されています。
部屋には食事と水道と、それに排泄のためのトイレが備え付けてあります。
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トイレ用ブラシをとりあげる少年。なにに使うのか…

食事はすべて缶詰。
壁には料理用の器具もかかっていますが、火はつかえないようです。

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ジュークボックスの中から出てくる缶詰

周囲にはまだ未開封の缶詰も転がっているのですが、その缶詰の絵柄は魚だったり虫だったりします。
少女はそれには手をつけず、ジュークボックスに近づきます。


hitori-kandume
床に転がる妖しげな缶詰… 誰が食べるのか


少女がボタンを押すとジュークボックスからランチョンミートの缶詰が出てきます。
作者はランチョンミートのSPAMが好物なので、このあたりはそのまま作者の食の嗜好が作品に出ているのがわかって面白いです。

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フタを開けると、盛り上がって飛び出してくるランチョンミート。
にょきにょきと枝が生えるように増殖し、それを少女は恐る恐る食べてみます。



食事という複雑な描写は紙人形アニメでは不向きな表現といえそうですが、この作品では、その不得手な特性を上手に生かして表現として昇華していると思えます。

その表現は、動画を使った一般的な手描きのフレームアニメーションとは、まるで違った方法論で成り立っていますが、アニメーションの醍醐味は、絵が動くことでキャラクターに命を吹き込むことですから、
総合的な技の集大成でキャラに命を吹き込むFLASH作品にも、アニメーションとしてのカタルシスが存在します。

010906 「ゴクリ」と音を立てて水を飲む鳥頭の少年。
水を飲み下すとき目は閉じている。


この作品は他のシーンでも、キャラクターの存在感を表現するために、まばたきや体や頭の動かし方で、キャラクターに命を吹き込んでいます。
この動きのフォーマットが完成しているので、中盤以降にでてくる食事表現においても違和感は感じずに、逆に印象深いシーンとして目に刻み付けられることだと思います。

このときの少女の顔をみると、下あごは別パーツで描かれているので咀嚼(そしゃく)にあわせて動くことができますが、
アナログの紙人形とちがってデジタル表現では別レイヤの情報も一枚の融合した絵として表現できるので、下顎が別パーツになっていることを違和感なく隠せます。
自然に動く下あごと、さらに舌のパーツ素材を奥に配置することで、口周りを表現。

それらとまばたきなどの動きを組み合わせ、最後に耳障りといえるくらいに強調された「クチャクチャ」と鳴る咀嚼の音をかぶせることで、「食事」という行為の表現に達しています。

・鳥少年の食事

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少年の開けたのは木の実の缶詰。
フタを開けると、少女のときと同じように、にょきにょきと枝が生えてきて実をつけます。
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肉には目もくれず果実を食べる少年。さすがは鳥です。


■エロティックな要素

このときの少女の食事シーンですが。
少女はまず、枝のように伸びたランチョンミートを舌先でぺろりと舐めて味を確かめるのですが、この描写にはエロティックな意味合いが込められていると思って間違いないでしょう。
暗喩というよりはむしろ、直截的なエロティック表現というべきかもしれませんね。
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他には、水道からでてくる異形の生物にはエロティックな意味があるそうです。

少年が蛇口をひねったときに水道からでてくる魚卵のようなものと、少女が蛇口をひねったときにでてくるオタマジャクシは精子と卵子の暗喩だそうで、思春期を迎えたふたりの欲求不満を表しているとのことです。
そう思って見てみると、蛇口の下にぶら下がってる袋は人間の陰嚢にしか見えなくなってきます。

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イクラのような卵とオタマジャクシが変形して生物になりかけて消滅する

このブログではこれまでも繰り返し書いてきましたが、性と食と睡眠は生物として持ち合わせた同列の欲求です。
本当は生きていない絵空事のキャラクターに命を吹き込むためには、この三大欲を描くことが効果的であり、絵に描いたキャラクターを真剣に生かしたいと考えた創作者ならば必ずたどり着く方法論だといえます。

作者の野山氏は、私と同じく伊丹十三のファンであり、藤子・F・不二雄の熱心なファンでもあります。
このブログでも触れた伊丹十三の『タンポポ』は食のフェティシズムを描いた映画です。
藤子・F・不二雄のSF漫画には『気楽に殺ろうよ』という短編があり、そこでは性欲と食欲の価値観が入れ替わった奇妙な世界が描かれました。
私がこのようなブログで食とアニメの話を延々としているのも、彼がアニメーションの中にこういった描写を縫いこめるのも、似た趣味が高じた結果だといえそうです。



今回は短編アニメの最新作『ひとりだけの部屋』を紹介しましたが、
作者(野山映)は、これまでにも、いくつかの短編アニメーションや、FLASHを使ったゲーム作品を発表しています。
ホームページに行けば一通り見れますので、興味のある方はぜひ覗いてみてください。

ホームページ:花蟲 - Hanamushi -
http://hanamushi.jp/

YouTube - 短編アニメ「ひとりだけの部屋」
http://www.youtube.com/watch?v=_5i4pwXEzfQ



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