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ルパン三世 ヘミングウェイ・ペーパーの謎

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ここは地中海のコルカカ島。前半の飲食シーンはすべて、女主人マリアがこの島でひとり経営するバーでの描写です。

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『ルパン三世』はアダルト層を意識して作られたシリーズですから、自然と飲酒のシーンが多くなります。
そして、ベテランの出崎監督は、大人の演出をできる監督だと思います。

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酒場ではルパンたちが、三者三様に酒を飲んでいます。次元と五右衛門を仕事に誘うルパンですが、彼らはなびきません。

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横にどいて勝手に日本酒をチビチビやっている五右衛門。

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「今回は組まん」

次元も五右衛門もそれぞれの目的を持ってこの島にやってきました。

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五右衛門の目的は、斬鉄剣でも斬れないというパンドラの箱を斬ること。

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次元の目的は、仲間を裏切って大金を持ち逃げしたクレイジー・マッシュに復讐すること。
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「やめなって、殺しなんて一文にもなんねえよ?」

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三人の狙いが実は一本の線につながると気づいたたルパンは、大喜びでふたりに酒を振舞いますが、次元も五右衛門もやはりなびきません。
自分の目的には自分でケリをつける。たとえ仲間といえど踏み入らせない領域があるのでしょう。

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一杯飲み終わると、それぞれが自分の根城に散っていきます。


翌朝。店主のマリアがいないので、勝手に食パンを焼いて朝食を摂るルパン。
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パンをくわえながらネクタイを締める姿がチャーミングです。

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鏡に映った机の上に、銃弾を見つけるルパン。どうもこの女店主にはなにか事情がありそうです。

二日目の晩がやってきました。

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バラバラに行動している彼らですが、この島にバーが一軒しかないためか、皆自然とこの店に集まってきます。

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「おかみ。椿正宗の熱燗一本」

椿正宗は、菊正宗をもじった架空の酒だと思ったんですが、
そういう商標の酒は存在するようですね。
日本酒にはキレの良い味の意味をこめて名刀正宗の名前をつけることが多いみたいですが、
斬鉄剣という業物を使う五右衛門が好んで飲む酒ですから、椿正宗は、そりゃもうかなりの切れ味なんでしょう。

 次元はなんだか深刻な顔をしています。その異様さに気づいたルパンと五右衛門。

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次元は生きて帰らないかもしれない戦いに赴くため、ふたりに別れをいいにきたのです。
手伝うという二人を遮り、次元はバーボンを注文。

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親友でさえ近づかせない気迫の次元。
その背中を見送るしかないルパンですが、このまま指をくわえてみているルパンでもありません。
だからこそルパン一家の中心にルパンがいるのだといえます。

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一夜明けて、バーに戻っての朝食。

次元も五右衛門もドジを踏んで、お宝探しを断念しようかと気落ちするルパン。
パンをスープにつけて食べる描写が細かいです。

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夜になり、レジスタンス組織”サソリ”のアジトでの夕食。
不二子も加わり、ようやくルパン一家が集結します。
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よそ者相手に渋々商売していた感のあったマリアですが、このとき作った料理には、家庭的な温かみがあるように思います。
秘密のアジトに彼らを迎え入れるということは、彼らに心を開いているということなのかもしれません。

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ワインもあるというので、大喜びのルパン。
ついにルパン一家の始動です。



さて、次は銭形です。
銭形の食事シーンをまとめてみました。

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今回銭形は、物語にまったく関わらず、ほとんど意味のない登場の仕方であるばかりか、惨めこの上ない役回りです。

しかし、銭形の食べ物に関するシーンがいくつかあり、
その演出が、銭形のみじめさをよりいっそう強調していたために、
一切活躍してないにもかかわらず、銭形の存在感を際立たせていたように思います。

空腹というのは、キャラクターに哀愁を添え、視聴者に強い印象を植え付けるるのに絶好の要素だと思います。


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ICPO本部で、経費と認められない領収書の束を突きつけられ、しょんぼり歩く銭形。懐も寂しいようです。
たまたま見かけた不二子の乗った車を追いかけて、トランクの中に忍び込んだのが運のつき。
はるばるコルカカ島までつれてこられてしまいます。

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空腹で憔悴しながらも、なんとか脱出した銭形は、とにかく食べ物を探します。

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冷蔵庫の中に食べ物発見。たっぷりの肉です。
空腹のときにこれをみたら宝の山に思えるかもしれませんね。

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お酒も入っていい気持ち。
しかし、運悪く不二子に出くわし、コンサノの手下に追われる身に。
何とか逃げおおせるものの、雨の中行くところのない銭形。
持ってきた小ぶりのソーセージを泣きながらかじる姿は哀れとしか言いようがありません。

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前作『バイバイリバティ』でも、ルパンや銭形がソーセージをかじるシーンがありましたが、
出崎監督はソーセージに思い入れがあるんでしょうか。


次は牢屋のシーン。
コンサノの手下に、牢屋に放り込まれる次元。そこには先客がいました。
銭形です。

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「ここの飯はよお次元、うまくねえぞ」

やっぱりつかまってしまったようですが、なんとか食えているのでその点では満足そう。
なんという覇気のない銭形。

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やがて次元は牢から出され、銭形だけまだ囚われています。

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「おーい、メシの時間だぞーい 」

ラッパの音で起き出し、メシの時間だと騒いで、食事の催促をする銭形。
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しかし外では銭形の存在など忘れられ、お宝を目指して軍隊の大行進が始まっています。

「おーいもしもし係の人。昨日の晩飯からずっと配給がないのですよ」

ついにぶちきれる銭形。

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「メシ食わせろっていっとるのが聞こえねぇのかー!」

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怒り爆発、牢を易々と破ります。

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「こらー!俺のメシいったいどうなってるんだこのヤロー」

すでに牢からの脱出とかどうでもよくなってしまったようで、メシのことだけしか頭にない様子です。

本当に顔出しだけで、意味のない登場の銭形でしたが、
演出のおかげで、存在感だけはやたらありました。



最後に小ネタ。カルロス大統領のセリフから。

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宿敵コンサノ軍が、大統領官邸を包囲したというのに、
将校を呼びつけて大統領が尋ねたことは、今夜のメインディッシュはなにかということでした。
なんとものんきな話です。この島では、こんなことは日常茶飯事なのでしょう。

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ちなみにこの将校のセリフでだけでてくる今夜の料理は、
「骨付き肉のクイーン風味インディアカレー和えとことん煮込み」 だそうです。
カルロス大統領は、 「キャビアとコンビーフの白味噌スープも忘れるなよ」  と付け加えます。
何がしたいのかわからないトンデモメニューですが、これはぜひ絵で見せてほしかったですね。



...おまけを読む (作品の感想と解説)
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ルパン三世 バイバイ・リバティー・危機一発!

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パリ警察から捜査資料を盗み出す颯爽としたオープニング。
・・・と思いきや、そこから急転、
落ち目のルパンが、ニューヨークの街角のうらびれたアパートに・・・

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ルパンを探している次元。

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冷蔵庫をあさる。

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とろーんとした目でバナナを食うルパン。

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落ちぶれると、とことんどこまでも。
ろくでもない女に入れ込んで、だらしない生活をしているようです。

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荒れ放題の台所。

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調理するルパン。
卵のカラが、フライパンに入っちゃってますね。
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二個目の卵が落とされ、透明の白身が凝固して白くなっていく様子がリアルです。

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目玉焼きを焼いているところに、次元がやってきました。

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引退したルパンの姿をみて、仕事に誘うのを諦める次元でしたが、
女に騙されたルパンは、しかたなく泥棒稼業に復帰します。




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ルパンに2度も逃げられ、
ハンバーガーショップで食事をとる銭形。
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やはり演出にこだわりのある監督は、食事描写にも手を抜きません。
ただハンバーガーにかぶりつくだけでなく、
ピクルスをかじる口元。
ストローがコーラを吸い上げる様子までが、粘着質に描写されています。

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「領収書くれ」
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NYの自由の女神を盗み出すというスケールの大きな盗みを働いた後、
ルパンは”彼女”をグランドキャニオンに隠して調べます。

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夕食にソーセージを食うルパン。
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二日目。
グランドキャニオンにまた夜がきました。
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子供のマイケルは、すでに傍らで寝息をたて、
小腹が好いたんでしょうか?
次元だけがカップヌードルをすすっています。
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さて、いろいろあって、
ついにルパンを捕らえ、勝利の祝杯をあげる銭形。
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このとき保護されたマイケルが常に口をクチャクチャ動かしているのに注目です。

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一方、保安官事務所に拘留されたルパンも、ずっと口をくちゃくちゃうごかしてます。

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保安官事務所が爆発して、脱走するルパン。
このあともマイケルはガムをずっとかんでいますが、
このガムには仕掛けがあるのです。

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終始、子供の気持ちを踏みにじり、マイケルを利用しようとしていた悪党のルパンですが、
そんなルパンに、なぜかマイケルは懐いていたように思います。
ルパンもマイケルに情が移ったのか、打算抜きに彼の母親探しをしようとしていた節もあります。

このハイテクガムは、マイケルとルパンをつなぐ物理的な絆なのですが、同時に彼らの心の絆をも象徴しているのかもしれません。



霧深い朝のドブ川(おそらくハドソン河の支流)。
マイケル少年に逃げられた銭型は、ホテルに泊まる金もないのか、
焚き火をして暖をとっています。
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火の中にソーセージが。
灯油缶でバーベキューとは、たくましいですね。

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せっかく捕まえたルパンに逃げられて、その行方もわからず、
ふりだしに戻って散々なはずなんですが、かえって元気に見えますね。

前半のハンバーガーのときの、静かな闘志をたたえていた銭型と違って、
このときの食い方は、ガツガツとしていてどこか楽観的な勇ましさがでているように思えます。

ルパンシリーズのお約束で、物語のクライマックスが近づいてるときは、銭型もルパンに最大限に近づいてるわけです。
冒頭から”勘ピューター”の精度をことさら誇っていた銭形ですから、
たとえ手掛かり皆無でも、このときルパンを確実にロックオンしていたのかもしれませんね。






...おまけを読む (作品の感想と解説)

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