
プロになって二戦をこなした一歩。
今回は東日本新人王トーナメントの初戦。
一歩は黒人ボクサー、ジェイソン尾妻と戦うことになります。
その前日、軽量がすんだあとの一歩の家での夕食場面。
豪華なメニューなのは、試合に向けて精がつくようにという母親の心遣いでしょう。
説明はされてませんが、トンカツは試合に「勝つ」という”げんかつぎ”なのはいうまでもありません。
一歩の家は母子家庭です。
一歩の父は、一歩が幼い頃に漁に出たまま帰らぬ人となり、
一歩の母親は、女手ひとつで釣り船屋を切り盛りして一歩を育ててくれました。
大事な息子が殴りあう試合には、いつも観戦に来てはくれませんが、
一歩のことを一番気にかけているのはこの母親をおいて他にいないでしょう。
ボクシングをやることに文句ひとついわないのも、
それが一歩の選んだ道であり、一歩の人生に必要なことだと認めているからです。
格闘技漫画においては、よく父を超えるというシチュエーションが用いられますが、父のいない一歩にとっては、母親がその超えるべき父のエンブレム(象徴)としての役割を自然ともたされているかもしれません。
のちの女同士の戦いのエピソードでも、この母の最強エンブレムが伺える描写があります。
この母親は、一歩の世界で、一歩の一番の理解者、支援者であると同時に、一番強いキャラクターに思えるのです。
そして、その母と一歩を日常的につなぐアイテムこそが、「御飯」なのです。

一歩の入門一周年記念として、青木がラーメンをおごってくれます。
このシーン、止め絵でみるとけっこういい作画なんですが、
動きと演出的に手を抜いてるのががっかり。
セリフを喋ってる間も、ずっとエンドレスで麺をズルズルしているのは明らかに手抜きですね。
他の作画は高レベルなだけに、食事シーンだけおざなりなのは、このブログ的には残念です。

原作にあった鷹村のおちゃめなコマがカットされて、木村の足を蹴るという演出に変わってるのもわかりません。ここはアニメでもやって欲しかったです。
せっかくスキャンしたので、原作のこのシーンのラーメンの絵も貼っておきます。
アニメの絵と見比べるのも面白いかもしれません。


ボクシング漫画の傑作、『はじめの一歩』にはラーメンがよくでてきます。
それも、本作品にはラーメン屋で働いているキャラクターがいるからなのですが。
アニメでもそれは同じで、ラーメン屋の描写もそれなりに描かれていて、雰囲気あります。

一歩の先輩のひとり、青木はラーメン屋で働きながら、プロボクサーをしています。
プロのボクサーといっても8回戦くらいではファイトマネーでは食えないのが実情。
ほとんどのプロボクサーは、普通に働きながら過酷なトレーニングや試合に挑んでいるという厳しい世界。
青木の場合は、ボクシング辞めてラーメン屋に就職しろと常に言われるくらい、ラーメンの味はかなり良いらしいです。
将来の夢はボクシングで稼いだ金でラーメン屋のチェーンをもつことなので、弱いのも含めてそれも納得です。


鷹村は試合間近なので、このラーメンが最後のまともな食事となるようです。
このあと鷹村には過酷な減量シーンの描写もあるので、このうまそうにラーメンをすするシーンは印象的。
(上の連続画像では左が鷹村です)
本作最初のラーメンシーンということもあってか、動画も枚数を使って丁寧に描かれています。
一歩は自分の階級(フェザー級)では、ウェイトで生涯悩まないベスト体重みたいなので、
ラーメンを食ったあとも、家でも気にせずバクバク食ってます。
ダイエット経験のある人にはわかるでしょうが、もう憎たらしいですね。