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ヒャッコ 第10話 「15コメ・虎に翼」


■落としの弁当

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屋上で本を読みながら昼食をとっているメガメっ娘。
風茉莉冬馬(かざまつり とうま)は、誰にも邪魔されずひとりで静かな時間を過ごすのが好きなのです。
しかし、今日は口から飲みかけの牛乳をたらし、かじりかけのパンを持ったまま固まってます。
前方のなにかに驚いているようなのですが…

…その前方には、騒がしい一団が。
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宿敵虎子が、秘策と仲間とを携え、今日も今日とて冬馬を懐柔しにきたのでした。

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虎子と冬馬の小競り合いの様子は
第3話あたりからそれとなく描かれてきた


虎子が、冬馬にちょっかいを出し続けて数ヶ月。
いっこうに自分になびかない冬馬を、なんとか自分に振り向かせようと虎子は必死です。
今回は、手下を引き連れ数で圧倒した上に、食べ物で釣る作戦なのです。

エサは”手作り弁当”。
これは、いつも菓子パンだけで食事を済ましているという冬馬の食生活を調べ上げた上での選択です。
なんだか腕の良い釣り師が、魚に合わせて餌や釣り糸の種類を変えている様子が思い浮かびます。

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肝心の弁当は虎子ではなく、歩巳の作。
今回は虎子のちょっかいだけでなく、歩巳からも横から友達光線が照射されています。
すでに虎子の配下となっている歩巳という駒を最大限に使って敵の将を仕留めんとする策士虎子。
こうして冬馬は、肩肘を張ってみせながらも、虎子の張り巡らした二重三重の罠にからめとられていくのです。

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ここは原作では、余計につくってきたおかずのみを入れたミニ弁当箱でしたが、
アニメではご飯も入った弁当になってます。

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なぜかここで、雀が横からおかずを盗んでいきます。
雀の大食いキャラの意地汚さがでたということもできますが、
これは頑なに他人との交流を拒んできた冬馬が、弁当で懐柔されるまさにその瞬間に起こった出来事ですから、
ここは親友虎子が関心を向けている相手への嫉妬からでた嫌がらせだと考えたほうがわかりやすいと思います。

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そして、いつのまにやら弁当に箸をつけてしまっている冬馬なのでした。
その裏に潜む意図を見抜く能力を、おいしそうな見た目とおいしそうな香りが奪ってしまっているのでしょうか。

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なんだかんだで仲間の輪に溶け込んでしまっている冬馬。
恐ろしい作戦は成功のようです。
箸をつけた時点で勝敗は決していましたね。
食い物の魔力は恐ろしいです。


■弁当披露会

今回、番組終了間際に弁当つながりのミニコントがあります。
原作のコミックス収録の2ページ漫画を膨らませたものです。

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このミニエピソードは、クラス委員長が全員を集めて、弁当の見せ合い大会を開くという趣向になっています。
これまでに登場した個性的なキャラクターたちが、それぞれの特性を出した弁当を見せ合います。
値段とカロリー計算がついているというところがアニメならではの演出です。

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コンビニ弁当。
独楽(こま)は親に代わって小さい弟と妹の面倒を見ています。
副業も抱え金儲けに忙しい彼女は、昼食はコンビニで済ますことで時間を作っているのでしょう。

                       
菓子パン二個。
潮は風貌に似合わず甘いものが好きです。
表示をみてもわかるようにコンビニの菓子パンは非常にカロリーが高いものです。
成人女性の一日の摂取カロリーは2000キロカロリーといわれていますから、これ以上は食べすぎでしょう。

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肉まん5個。
ロボット研究会に所属する知恵は、昼休みを活用してロボット制作をするつもりです。
その合間に片手で食べられるという理由でこの食事。

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お菓子です。
頭の中がすっかり幼児の湊兎(みなと)は、食べたいものを食べたいだけ食べます。
だから昼食もお菓子です。
それは食事じゃないという委員長のツッコミには、叱られたと思って泣き出してしまいます。

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祈(いのり)の手作り弁当は、母親の作ってくれたものです。
食べる本人には似合わない、なかなか可愛らしいお弁当ですね。
原作では「手作り」と聞いた一同が、その祈の風貌から「毒入り」を連想するというオチになっているのですが、
アニメでは若干変えてあります。

ごはんの上に星の形のそぼろのようなものがのっていますが、
以前、これもアニメオリジナル要素ですが、祈の母親の手作り金平糖をもってきたという描写から、
祈の母は星のようなキラキラしたものを好む明るい人物だということが想像できます。
原作に登場した祈の妹も普通の人なので、彼女だけがなぜか暗い性格なのでしょう。
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さて、祈のお弁当の行方が最後に描かれます。
このお弁当は虎子に奪われてしまったのです。

職員室では空の弁当箱を虎子に渡す傘(あまがさ)先生の姿が。
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先生のケータイを壊してしまった虎子は、その埋め合わせに、祈の弁当を差し出してこの件をチャラにしようとしたというわけです。

今回このブログでは、虎子の性格を、若干計算深い利己的な悪女のようにおもしろおかしく書きましたが、
この弁当箱の描写をまともに取り合うのならば、虎子は無意識のレベルで本当にそういった性格を隠しもっているとも思えます。

アニメ版の最終二話のあたりで描かれるシリアスなエピソードのことを考えると、原作の時点で虎子の隠し持った性格のことを匂わせる描写はすでにあるように思えるのですが、このオリジナルの描写を見ても、アニメ版ではそのことをわざと強調して描いているのかもしれませんね。

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他人の弁当をとっておいて「サンキュー」の一言で片付ける虎子
笑顔の祈のリアクションがさらに怖い



...おまけ(作品の感想と解説)



■ 舞台設定のコンセプト


以前描きましたが、ヒャッコは屋内と屋外の描写に意識的にメリハリをつけているので、
屋外での描写はことさら気持ちのよい映像になっていることが多いです。

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    (cカトウハルアキ・フレックスコミックス/ヒャッコ製作委員会) 
↑アニメ放送前に公開されたコンセプトデザイン集の書き文字

『ヒャッコ』ではアニメ制作にあたって、原作者と監督が共同で、アニメ版の舞台のイメージを固める作業をしています。
この虎子と冬馬が出会う過去のエピソードでは、高台にあるこの高校に、海のほうからいつも風が吹いてくるという設定が良く表現されていると思います。

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秋風に飛ばされた落ち葉がびゅんびゅん通り過ぎていく

高校入試にあたって学校の見学に来ていた中学三年生の冬馬は、別の中学から同じく学校見学にきていた虎子と偶然出会います。
このとき強く吹き付けていた風と、その風にたなびく虎子の髪が、揺れる冬馬の気持ちを表現するのに一役買っています。

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風の中で語りあう二人
 

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風にたなびく虎子の長髪にいつしか魅入られている冬馬

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■キャラクターの内面

『ヒャッコ』はとんでもない個性をもったキャラたちが右往左往するどたばたコメディ作品ですが、
馬鹿騒ぎをしている彼らの内側には、それぞれがもう一層の厚みのある設定をもたされています。
彼ら登場するキャラクターたちは無造作に配置されてるようでいて、
その行動にはなにかしらの含みがあり、言葉で直接説明しない部分においても、キャラの内面が良く考えられたうえで作られていると思います。

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冬馬の虎子に対するファーストインプレッションはこれ以上ないくらいの好感度でしたが、
その反動で実際に同じ高校に進学してからは、不自然なまでに拒絶の態度をとり続けます。
人間の第一印象というのはおろそかにはできません。
おそらくこのときの冬馬の心情こそが素の冬馬の気持ちであり、同級生となった冬馬はなんらかの理由で虎子を拒み続けているのです。

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一人でいるのが好きだと自分で確認する冬馬。
しかしひとりの幸せを満喫しながら伸ばした手は、なにか足りないものを探し求めているようにもみえる。

高校は大勢の仲間がいる場所で、虎子は全方向に交友を広げていくタイプです。
しかし究極の人嫌いの冬馬は、頑張って誰かと仲良くなれたとしても相手はひとりがやっとでしょう。
冬馬にとっては、その「ひとり」になれるかもしれなかったのが虎子だったのだと考えると、わかりやすくなります。

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冬馬の脳裏に走馬灯のように現れるのは、すでに虎子に懐柔された面々

今回、虎子にいつもべったりの雀が 、冬馬の弁当を盗む描写がありますが、これが冬馬に嫉妬しての行動なら、
冬馬の拒絶も似たような行為の裏返しではないでしょうか。

つまり、冬馬は虎子となら一対一の親友になれるかと思ったら、そうはいかなかったので、
だったら友達などいらないよと、駄々をこねているのだと解釈できます。

そして、虎子が自分をしつこく追いかけてくる状況が心地よかったのではないでしょうか。
自分自身のその気持ちに気付かず、イライラしている様子からは、その天然な不器用さがにじみ出ています。

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なぜ冬馬にこだわっているのかと尋ねる歩巳にキョトンとする虎子

一方虎子も、複雑なキャラクターです。
歩巳に「なぜ風茉利(冬馬)さんにこだわるんですか」という質問をされて、虎子は初めて自分が冬馬にこだわっていることに気付くという描写がありますが、虎子も自分で理由がわからないうちに冬馬を懐柔するゲームに没頭していたようです。

なぜここまでムキになるのか。
誰とでも無意識に仲良くなれる彼女は、拒絶されるのには慣れていません。
どんな変人でも懐柔してきた虎子にとって、冬馬という存在は自分のこれまでの経験則を揺るがす存在だったはずです。

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相手のテリトリーをたやすく突破する虎子

アニメ版では最終の二話は、かなりシリアスな話になっています。
家庭に複雑な事情を抱え、家出を繰り返す虎子にとって、学校での生活は実生活の全てであり、その学校での成功体験で得た法則が通用しない冬馬は、彼女の居場所を奪ってしまう可能性を秘めているといえます。
ここで冬馬を懐柔できるかは、家に軸足を置くつもりのない虎子にとって未来を占う試金石となっていて、それがゆえに冬馬攻略にこだわってるのだと考えられます。

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副題ともなった「虎に翼」のシーン
飛行機のように羽を伸ばし彼女はどこへ飛んでいきたいのか


今回、冬馬の懐柔策は一応成功し、友達の輪はいっそう広がり強固なものとなりました。
だからといって一生付きまとうことになるであろう家族の問題が解決するわけでもありません。
しかしまだ高校一年生の彼女にとっては、無理をしてでも作り上げた自分の城がいまは一番大事なものなのでしょう。


この記事に対するコメント


はじめまして♪
よかったらウチのブログも
見ていってね♪

【2010/01/27 21:54】URL | in Field #UzsS.eyA[ 編集]

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