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太陽の牙ダグラム 第8話 「裏切りのデロイア」

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そのうち古いアニメも紹介しようと思っていたのですが、
手始めに、ちょっとマイナー作品ですが1981年製作の『太陽の牙ダグラム』をやることにしました。
いずれ、もっと古いアニメも紹介したいと思っています。
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地球の殖民惑星デロイアでは、地球からの独立の気運が高まっていました。
そんなこの星のある店に、主人公クリンがやってきます。
それを監視する男。
クリンは政治家の息子なので、こういう店で食わずとも良いはずなのですが・・・

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カウンターで
「腹が減ってる。なにか食べるものないかな」と聞くクリン。
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店のオヤジは、
「いいとも。奥で食べな」
とあらかじめ用意してあったバスケットをクリンに渡します。
メニューは、フライドチキン4ピースに、パンきれ二枚のようです。

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階段を下りたところにある、奥の部屋には、
物書きをしているひとりの老人がいました。

むしゃむしゃとバスケットの中身を食べる老人。
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お前が食うのかよ
と突っ込みたくなるところですが、
どうやらこの食事は、この人物に会う為の方便で、さきほどのカウンターでのやりとりは合言葉だったようです。
食べ物がこんな暗号のような小道具に使われているという珍しい例でした。

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「人間って奴は、元来いじきたなくできてるものらしいな」
ワインを飲んで寝かし方がたりないとゴネる老人。

「元来政治とはそういうものだ。つまり誰がたらふく食べられるかということに尽きてる」
ワインの味を、デロイアの独立運動にたとえ、人間の食欲を政治にたとえる理屈っぽい老人。
この老人こそ、デロイア独立運動の影のリーダー、サマリン博士なのです。

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コーヒーをもってきたサマリン博士はまだ語ります。

「デロイアが独立してデロイアの政府ができたとして、すべてのデロイア人が幸せになれるかというと、これまたちがう。そこにはまた必ず反対意見が出る」

「ワシが目指しているのは、そういうとき少数の意見であっても、多数の中に十分反映できる社会をつくるということだ。このコーヒーと砂糖のようにな」


コーヒーをかき混ぜながら、また例えました。
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どうもこの博士。
飲食物で例えながら喋るのが好きなようです。
このブログ的には、とてもいいキャラですね。


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作品名 太陽の牙ダグラム

放映開始 1981年10月23日
放映終了 1983年3月25日
総話数 全75 話
放送局 テレビ東京
  (サンライズ公式ページより)



『太陽の牙ダグラム』は、『機動戦士ガンダム』で有名な日本サンライズ(現在のサンライズ)製作のTVアニメーション。

TV東京は、他局に比べアニメを放送しはじめたのが遅く、本数も多くありませんでした。
そして、ちょっと直球とはズレたような、他局ではまずやらないような作品ばかり放送してました。

同じ日本サンライズ作品の『伝説巨人イデオン』なども、その類型に当てはまります。

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『ダグラム』は、プラモデルの売れ行きが良かったおかげで、
本来の話数を延長して全75話という長丁場を走り抜けることができた幸せな作品でした。

『ガンダム』から始まった、日本サンライズのリアルロボット路線2作目という成り行き上、
(イデオンは兵器的にリアル路線でないのでのぞきました)
どうしても『ガンダム』と比較される宿命にあり、

アクション的、ドラマ的にハデさと抑揚のあった『ガンダム』に比べ、

戦争のリアルさ、
政治的または軍事的な権謀術数、
人間ドラマ

こういった要素をさらに骨太につきつめた『太陽の牙ダグラム』という作品が、
当時の子供にまったくウケるはずがなく、
(自分もそのひとりでした)
地味でつまらない作品という世間の印象を拭えなかったと思います。

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いま大人になって見返してみると、テレビ東京でよかったなあという感想をしみじみ抱きます。

あの『ガンダム』ですら43話打ち切りですから、
いかにプラモデルの売れ行きが良かったとはいえ、

視聴率的にはそれほど目立った点もなく、
むしろ地味な数字だったダグラムが、
延長までして最終回まで寿命をまっとうできたのは、

スポンサーの意向もあるでしょうが、
このようなマイナー嗜好作品を、比較的自由に放送できる土壌のおかげもあったと思います。

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他局では、こんなトリコロールカラーでもないロボットがでてくるアニメ、企画が通らなかったんじゃないでしょうか。
TV東京で前年に放送された富野監督の難解作品『伝説巨人イデオン』はやっぱり打ち切られてしまいますが(笑)、これはプラモの売り上げも視聴率も悪かったからですね。
ともかく『イデオン』も『ダグラム』も、放送できてる時点で、テレ東のアニメだって印象が強いです。

高橋監督の日本テレビでの二作『機甲界ガリアン』『蒼き流星SPTレイズナー』がそれぞれ、放送短縮や打ち切りの憂き目にあっていることからも、やはり高橋監督はテレビ東京が向いてるんじゃないかと思いました(笑)

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そんな異色作の印象が強い『太陽の牙ダグラム』ですが。
ストーリー的には、当時アメリカで大ヒットして日本にも上陸したドラマ。
『ダラス』をモデルにしているともいわれています。

植民地支配の中心人物である政治家ドナン・カシムの息子であるクリン。

彼が若さゆえの勢いと情熱で、反政府ゲリラに身を投じて、父と確執を深めていく有様や、ドナン側近のラコックの野望の描写などが、上流階級のドラマととられたのでしょうか。

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『ダラス』は米国でのあまりの人気に、勢い日本でも放送が始まりましたが、予想外に低視聴率で打ち切りになってしまったことを考えると、こういう上流階級の野望と愛憎のドラマというのは日本人には馴染まないテーマなのかもしれませんね。

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ただ、この作品の本当のテーマはグローバル時代の資本主義と大国主義、そしてその中にあって避けられない「戦争」そのものではないかと思います。
架空の植民地惑星の独立戦争を通して、石油利権の覇権を握る現実の大国アメリカと第三世界の関係の意味を問いかけるのが、製作者の思惑だったのではないでしょうか。

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(第2話より) アメリカのKKK団を思わせる、地球の人種差別主義者たち

これは
「デロイア抜きに地球の経済は成り立たない」
「地球の食料・資源の40%がデロイアに依存している」
と言い切ったドナン・カシムのセリフによく現れています。

大きくなりすぎたデロイア資本を潰し、地球の思惑通りにしたいというドナンの息子たちの考えと、ドナンのいう「デロイア人も地球人と同じ連邦の仲間だ」というセリフには大きな開きがあります。

ドナンのいう「独立を認めれば戦争になる」、それが一番の悲劇だという考えもうなずけます。

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しかし巧みな独立つぶしが成功しているその影で、実際にはデロイア独立運動の機運が高まり戦争に発展していきます。
いったい真実はどこにあるのでしょうか。

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私はこの作品をまだ見終わっていないのですが、全体的な構成は非常に俯瞰視点でよくできているように思います。

これは、第一話の冒頭で、いきなり戦争終結後のエピローグが描かれていることからも感じとれます。
つまりこの作品は、壮大な「帰納法」でつくられた、着地点のはっきり見えている作品だったのだと思います。


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鉄の腕は萎え 鉄の脚は力を失い
埋もれた砲は二度と火を噴くことはない
鉄の戦士は死んだのだ
狼も死んだ 獅子も死んだ
心に牙を持つものは 全ていってしまった

 この掟破りの第一話は、かなりかっこいいです。

「Not even justice. I want to get truth! 真実は見えるか」

毎回、次回予告に流れ「真実は見えるか」と視聴者に語りかけてくるこのキャッチコピーにも、この作品のシブさと熱さが光っています。
高橋監督の次作である『装甲騎兵ボトムズ』でも次回予告が人気を博しましたが、その片鱗がすでに現れていますね。

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