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太陽の牙ダグラム 第48話 「その名は解放軍遊撃隊」



アンディ鉱山を経営する地球三州(ミンガス州、コホード州、ローディア州)は、
連邦議会で最大派閥であるメドール州が、デロイアで大きな顔をしていることが気に入りません。

彼らは連邦に足並みを揃えないばかりか、デロイアでの権益を握るために革命の手助けすらしています
メドール選出議員であり連邦評議会の議長でもあるドナンは、地球連邦の意思を統一するため評議会を召集し、地球に一時帰郷しています。


■カシム家の食卓

久しぶりに家長が食卓に座っているカシム家の夕食風景。

食卓合成A48-08 
上のふたりの兄が、まだ仕事から帰らないので、
お預けを食らっている長女の双子の子供たちがぐずり始めました。
仕方ないので先に食事を始めることに。

48-11 
48-10 
シリーズ冒頭にでてきたカシム家の食事風景は、ぞんざいな描かれ方でしたが、
この回は大事なシーンのためか、けっこう丁寧に描写されています。給仕の動作や、食べ方も丁寧に描かれています。

サラの皿 
48-12 



やがて、遅れて帰宅した兄たちも席に着き、
クリンを除く一家全員が久しぶりに集まりました。

 食卓合成B
48-16 48-14 

数ヶ月ぶりに離れた家族が集まっての食事というのに。
皆がそろったとたん、はやくも殺伐としています。

この家の台風の目は、いつもクリン。
地球の役人である長兄ラビンと、地球の商社に勤める次男ロイルは、
クリンのせいで商売もままならないと父親に詰め寄り、
楽しいはずの食事は一気に紛糾します。

48-26 
「逮捕するなり 首に縄をつけるなりして あいつを強制送還したらどうなんです!」

48-27 
「第一恥ですよ! 地球評議会議長の息子が反政府ゲリラに加わっているなんて!」

いきり立ったラビンたちの怒りの火の粉は、長女サラの婿であるレークにまで及びます。

そのレークは、危険を冒してまでクリンに直に会いに行きましたが、
この兄たちは、命じれば、誰かがすぐにそれをやってくれると信じています。
クリンはすでにゲリラの主要メンバーですから、彼を拘束して誘拐してくることの難しさも念頭になさそうです。
ドナンの息子たちは、ゲリラになってしまったクリンも含めて、とてもドナンの望むように育ったとはいえそうにありません。

48-28
あまり語らず、ワイングラスを傾けるドナン


あげくにラビンは言い放ちます。

「母さんなら血がつながっているから、あいつのしていることが理解できるでしょう」

48-30 48-29 
 席を立つラビン

もうこの家庭はめちゃくちゃですね。
食事は家族をつなぐアイテムのはずですが、彼らはまったくつながっていません。
上の三人の兄妹は、クリンとは腹違いなのですが。
そういうことを平気で口に出す時点で、まともな家族ではありません。


ただドナンも人の親、子供はみな等しく可愛いはず。
そんな中にあって、ドナンがクリンだけに別格の情を注いでいるととれる描写がでてきます。


■獅子の子

末っ子は一番可愛いとよくいいますが、ドナンの場合それだけではなく。
クリンがただひとり自分の血を、すなわち、
自分の気性や性質をもっとも濃く継いでいるのだと思っているようです。

手元に置いておきたいはずの末っ子クリンが、
ドナンの望まぬ道へ行ってしまったのは確かに残念ではあるのでしょうが、
それゆえに、ドナンはクリンを地位ではなく血の後継者として認めているのだと思われます。

自分の血が流れているからこうなったと、
我が身を責めるクリンの母親フィナに、ドナンはいいます。

48-31 
「クリンは兄弟の中で、わしの血を一番引いておるのかもしれん」

一見、妻を気遣ってかばっているような会話ですが。
この場面のドナンはむしろ、息子は俺の血を引いてるのだと、
妻を相手に、子供をとりあってるようにも見えます。
不肖の息子のはずなのにです。


48-33 

「道は違うが、あいつはあいつなりに自分の道に自分を賭けている。
他人の目ばかり気にするラビンたちとはそこが違う。
お前のではない、あいつはわしの血を引いているんだ」

獅子が千尋の谷に我が子を突き落とし、這い上がってきたもののみを育てるように、
ドナンもまた、クリンを戦乱のデロイアに野放しにすることで、息子がどのように成長していくのかを楽しみにしているのかもしれません。
たとえ利害が反目して、息子を自ら殺すようなことになってもです。

「ラビンたちとはそこが違う」というドナンのセリフは、
「底が違う」=器の大きさが違うと、末っ子へ賛辞を贈っているようにも聞こえてきます。



■鬼のいぬ間に

今回、ドナンが地球へ戻っている間はラコックが留守を預かっています。
彼にとってドナンの不在は好都合のようです。

ドナンを送り出し、楽しげに一杯やっているラコック。

47-11 

まるで夫が会社に行ったあと羽を伸ばす主婦のようですが、
ラコックの羽の伸ばし方は少しばかり大胆。
転がり込んで来たドナンの不在という手駒を、彼はいったいどう動かすのか。
その様子が前回の第47話で描かれています。



ラコックがさっそく会いに行ったのは、パルミナ行政官のレーク・ボイド少佐。
この「地区行政官」の肩書きは、ラコックが欲しながらも手に入れられなかった地位です。

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 手ずからコーヒーを入れる質素なボイド行政官

ラコックは悠々と大胆不敵な用件を切り出します。
「私が閣下の意思をお伝えに」

ラコックは、ドナンの言葉として嘘をボイド行政官に伝えます。
閣下は、現行の軟化路線を撤回し、厳しく取り締まる路線に戻せといっていると。

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 まじめな顔でしゃあしゃあと嘘がでてくるラコック

そもそもレークが行政官に任命されのは、民衆のための軟化路線をドナンが決めたためであり、
その適任者がレークだと判断されたからです。
人事も変えずに、政策を180度変えるというのは、なんとも不可解な話。
当然レークは、そんなことをドナンが言うはずがないと反発しますが、
ラコックは、細部のつじつまを合わせながらも大筋で反対方向に話をもっていくのです。

「そんなはずはない」といいながらも、この力技には冷静なレークも押されています。

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「閣下は何を考えておられるんだ」

この時点でレークは、半分以上このホラ話を信じかけていますが、それも無理はありません。
ドナンの補佐官に過ぎないラコックが、主の意思を無視して勝手に命令を伝えているとは普通考えないでしょうから。

それにレークはドナンの長女の婿でもありますから、
ラコックの背信行為が、ドナンの耳に入る確率も格段と高くなります。
いくらドナンが遠く離れた地球にいるとはいえ、ラコックはたいした度胸です。
そんな心理的な罠に陥って、レークも陥落寸前。

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「行政官、あなたはお優しすぎます」
「人間として 当たり前のことをしているまでだ!」

火花が散るような対決ですが、すでに勝敗は決しています。
悲しいことですが、悪と善では悪が強いのです。

しかしながら、戦争を激化させようというラコックのこの大胆な悪企みは、
ここまでの危険を冒しながらも、結局無駄になってしまうことに。
この直後、嘘からでた真でドナンが本当に腹積もりを180度変えることになるからです。

ドナンの個人的な事情から生まれたこの心境の変化は、ラコックの描いた絵図と奇妙な一致をすることになります。
運命が定められた方向へ頑なに進もうとするかのように、激動の波は止まることはありません。
やがて濁流は堤防を決壊させ、まず連邦第八軍の反乱として歴史にその姿を現すことになります。

この記事に対するコメント

お久しぶりです。


こちらこそ、見ていてくれてありがとうございます。
訪れた方に、ひとつの作品だけでなく、他の作品へも興味をもってもらうというのは、
私がブログをやっている目的のひとつでもありますので、非常にうれしく思います。
自分の好みの視点だけをゴリ押しで語ってるので、紹介ブログとしては至らない点も多いかと思いますが、
他の作品も、気が向いたら見てみてください。


それとダグラムを見なくなったということですが、
単に私の視聴ペースが異様に遅いだけの気がしますね(笑)
たっつさんが最初にいらしたのがもう1年前なので、明らかにこちらの更新が遅いです。
特にダグラムは一筋縄でいかない作品なので、
反芻して私なりに言葉を発するまでに、時間がかかってると思います。
ご飯をくちゃくちゃと、いつまでも噛んでる子供みたいですね。

ただ私も本当は熱しやすく冷めやすい性格なので、ハマっては次の作品にというのは、
このブログの傾向を見ていただければわかるかと・・(笑
それにブログをやってなかったら、即効で駆け抜けていまごろ忘れている気もします。


しかし、好きな作品、優れた作品たちは、順繰りにマイブームがローテーションするものだと思いますね。
私はそろそろ『ダンバイン』をもう一度見たくなってムズムズしてきたのですが、
たっつさんに再びダグラムブームが訪れたときは、私は聖戦士になっているかも知れません。

このスローペースでは、作品のファンの方にかえって申し訳ないブログなんですが、
時間の許す限り、いろんな作品を取り上げていきたいと思いますので、
今後もよろしくお願いします。

【2008/06/25 01:47】URL | gugugu #mQop/nM.[ 編集]

振り向けば遠く…


しばらくご無沙汰をしておりました。以前、たびたび書き込みをさせてもらっていたダグラム好きです。

実は、あれほど好きだったダグラムも、最近ではあまり観なくなってしまいました(笑)。でもダグラムが嫌いになった訳ではなく、むしろ今回の第48話については楽しく読ませて頂きました。
今はたまたま観ていないだけで、きっとまた僕の中にダグラムのマイブームが来ると思います。

さて、ダグラムを観なくなってからも、こちらのサイトはちょくちょく拝見させて頂いていました。そしてそのたび、ダグラム以外にも面白そうな作品を知り、レンタルで観ていきました。
バイバイリバティー、ハルヒ、墓場鬼太郎…

特にハルヒがただの萌えアニメではないことが意外でした。本格的(?)SFだったんですね。

僕の視野を広げてくれて、有り難うございました(笑)。
これからも色んなアニメの、色んな食事を取り上げてください。
(でもやっぱダグラムネタが一番!)

【2008/06/23 21:00】URL | たっつ #-[ 編集]

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